金属に対するバーコードのダイレクト印字が近年多くなり、同時に読取率の問題も
重要視されるようになりました。単にバーコードを印字して読み取ることはできますが
実際に使用現場で、その作業を行うのは従業員、作業員の方々です。
読取に時間がかかるのでは、直ぐに落第点を頂くことになります。
重要なポイントは以下の通りです。
実際にどこでバーコードを読み取るかが非常に重要になります。 太陽光が降り注ぐ屋外なのか、蛍光灯直下の屋内なのか、LED照明なのかなど各施設で大きく違います。加工後出荷時に検査を行い100%でも、現場で行うと50%までに 読取率が低下することもあります。
高いから読取が良い、安価なものが読取が悪いという事ではありません。 もともとは紙(印刷)ベースで考案されたのもであり、どのような機器でも 同等の性能と言えます。しかしベースが金属であると大きく違いがあり差が出てくるのもございます。金属で使用する場合、コントラストの調整が可能なリーダーをお奨めします。またリーダーには画像認識、レーザー方式、赤外線方式等がいくつかあり、この中でも画像認識のリーダーは安定して読取できます。
金属にバーコードと考えるとデンソー©QRコードがお奨めです。 大きさについても10x10mm角以上にすることで安定した読取率を確保できます。また輸出をする製品についてはDataMatrixのECC200バージョンもお奨めです。共に誤り補正機能がありバーコードが少し欠損しても読取が可能になります。またCode39などの一次元バーコードは読み取りの仕様で金属製品では読取率が低下します。
粗目のサンドブラスト処理を行い完全にツヤを消すと飛躍的に読取率は向上しますが、工業製品すべてに通用するものではありません。光沢を必要とするものメッキ処理を、アルマイト処理と色々な処理方法があり使用用途で大きく変わるものです。それでも金属ですので、どんな処理をしても「光の反射」は必ず発生し、読取率に大きな影響は与えます。
QRコード:
デンソーが開発したマトリクス型二次元コード。近年では携帯電話やスマートフォンアプリによる読み取り機の普及により日本のみならず世界に広がってきています。
レーザーマーキングは金属、樹脂に対して直接印字を施すことにより、耐水性、耐薬品性が向上し、今まで環境依存により普及が遅れた場所でも大きな力を発揮します。
データマトリクス:
データマトリクスコードはID Matrix社が開発したマトリクス型二次元コード。
小型化できる特徴のため、液晶やIC部品に多く普及しています。基盤上のICカバーにデータマトリクスがよく使用されています。
PDF417:
PDF417はシンボルテクノロジー社が開発したマルチロー型二次元コード。アメリカを中心に普及、自動車工業会や電子部品工業会、国防省などで標準採用されています。
Code39 Code128:
Code39、Code128はインターメック社が開発したバーコード。
商品識別などで広く用いられ世界で代表的なバーコードです。
バーコードスキャナにはCCD方式とレーザー方式があり反射する部分とそうではない部分を読み取ります。
レーザマーキングで一次元コードを金属にマーキングした場合、母材の表面処理に可なりの割合で 依存します。
ステンレス等はブラスト処理を施してからマーキングすることで読み取り率が向上します。
弊社ではご依頼時に素材毎に加工条件、加工仕様を変更し読み取り率を優先したマーキングを行っています。
ご使用になる金属の種類、使用する予定の環境、バーコードリーダーの品番など非常に細かい事をお聞きします。
製品によってはNDA(秘密保持契約)が必要であれば
お知らせください。
同じ種類の金属、同じ表面処理の端材等を利用し、いくつかのパターンでバーコードを印字します。
それを実際に使用する現場でお使いのリーダーで試験を行います。
使用しているリーダーをお借りして弊社で試験も可能です。
いくつかの工程を経て、実際の加工に移ります。
その際に読取において共有できる基準規格を設定し、読取率の高いバーコード印字をご提供します。
金属製品すべてにレーザーマーキングではありません。使用する環境によってはラベルプリンターなどを多用することも検討すべき1項目です。ただ劣悪な環境ではシールでは耐久がありませんので以下の環境下ではレーザーマーキングだけをご検討ください。
ご不明な点がございましたら弊社担当までご相談ください。